空港ラン!歴史に名を留める廃港:ベルリン・テンペルホフ空港
緑地や公園が多いベルリン市内でも、地図で見ると南部にひときわ大きな円形の公園があります。実は、これは2008年までテンペルホフ空港として使われていた場所を、公園として公開している場所。ベルリン市内で最大の公園だそうです。 歴史を紐解くと、テンペルホフ空港は1926年当時において欧州最大の発着便を誇る空港であり、またヒトラーの命で1939年に完成したターミナルビルは当時世界最大の建物だったそうです。そして、冷戦下、東西ドイツに分断され、陸路をソ連に封鎖された西ベルリンの生命線は、この空港に輸送機で届けられる物資だったという「ベルリン大空輸」の舞台でもありました。 そんな数奇な運命をたどったかつての大空港も、今となっては短い滑走路など拡張がままならない空港施設の制約をうけ、住民投票のすえに2008年に空港としての使命を終えました。 その場所がそっくりそのまま公園として残され、滑走路や誘導路はランニングやサイクリングなどのスポーツエリアとして活用されているほか、ある部分はBBQエリアに、ある部分は野鳥の保護区に、と多目的に利用されています。ターミナルビルとその前の駐機場エリアはフェンスに阻まれてアクセスできませんが、空港の面影は、ほとんどそのまま残っています。 敷地内は野鳥保護区などを除いてほぼ自由に走れますが、公園の外周約6㎞はランニングのモデルコースになっていて、赤い丸のペイントが路面に示されています。 せっかくですので、まっすぐに伸びる約2㎞の滑走路を、離陸する気分で全力疾走するのが、この空港ランらしい楽しみ方ではないでしょうか。 公園内にはきれいな水洗トイレも整備され、売店で飲み物やアイスなどが買えます。ただし、公開時間は季節により異なり、朝6:00~7:30開園、夕方17:00~22:30閉園となりますのでご注意ください。なお、空港の東側のエリアは、ベルリン市内でも治安が良くないと言われますので、念のため、アクセスは西側のテンペルホフ駅を使うことと、開園時間内でも夕暮れ時以降の利用は控えることをおすすめします。