【Road to 100miler 〜日光千人同心街道ジャーニーラン 終盤編〜 】
↓序盤編は↓
https://runtrip.jp/journal/648696↓中盤前編は↓
https://runtrip.jp/journal/650086↓中盤後編は↓
https://runtrip.jp/journal/653243思いがけない場所にサプライズ応援に駆けつけてくれた英福の仲間を見たら自然と笑みが出た。
身体を気遣ってくれて、jun@さんがいくつかの菓子パンを手に勧めてくれたが、食欲がなく断った。「本当はミニアンパンが良かったんだけど、売切れだったんだよ」と言い、「少しでも食べた方がいいよ」とミニクリームパンを勧めてくれたので1つ食べた。中のクリームが冷たくて美味しくて、結局もう1つもらった。その後カルピスを買ってもらい、先を急いだ。
『残り60キロを14時間、なんとか完走出来るかな』と思いながら淡々と走った。
CP21富田宿近くの交差点のバス停ベンチには2人の参加者が仮眠をとっていたが、自分はまだ調子が良く走れていたので、通過申請だけして次へ向かった。CP22栃木宿は試走の時、昔の街並みが風情があって少しだけ観光した。ジャーニーランでは夜間なのでやってて良かった。CPの場所も覚えていたので、夜間でも迷う事なく軽快に駆け抜ける。
この辺りから日光例弊使街道の標識も見かけけど急に睡魔が襲ってきた。
『ここからが本当の闘いだ』と思ったが、ほとんど走れなくなって累積平均ペースが10分/キロまで落ちていた。
天気も曇りから濃霧になり、ミストシャワーの中を走っているようだった。
グループLINEであきけんさんのリタイアを知った。前の週もウルトラマラソンを走ったので、『やはり辛かったのかな』と淋しくなった。
気がつくと英福の仲間と話している時に抜かれた地図男が前にいたけどなかなか追いつかない。CP24金崎宿近くで追いつくも声をかけることもなくそれぞれのペースで黙々と歩いたり走ったり。この眠くて辛い状況に似た記憶にあった。『そうだ初めて富士山に登った2015年のsea to summit だ』と思った。
【それは、朝6時田子ノ浦海岸から歩き出し、翌朝富士山頂でご来光を拝むというイベントで、7合目途中から急に悪天候になったが山頂まで登ってしまい、そこでイベント中止を聞き、すぐに下山したが途中から幻覚も見えた、人生で2番目に辛い出来事であった。】
相変わらず眠気が治らず、オクムの応援でランナーに送ったCKBの『やればできるよ できるよやれば やるしかないんだから やらなきゃダメですよ』を何度も口ずさみながら進んだ。
地図男が近くにいたので『眠くて辛いです。今度コンビニあったら、コーヒー飲むんで少し休憩します』というと、「俺も」と言うので、7-11のホットコーヒーを明るくなり始めた駐車場で地べたに座り2人で飲んだ。
CP25楡木宿前には私設エイドが準備されてて、味噌汁を振る舞ってくれた。インスタントだけど優しくて温かった。おかわりをもらい、もう片付けるからと「好きな缶ジュース持って行っていいよ」と言ってくれてコーンポタージュをもらい次を目指した。
夜が明けると地図男は先に行った。『夜間は上手く使われたな?』と思った。それは彼の戦略かもしれないが、どうでも良くて、お互い自分のために、自分のペースで一歩ずつCP26鹿沼宿を目指して残り30キロを切った。
スタートから約130キロ。23時間0分経過
〜完結編に続く〜