宝永山へ
富士山山頂へ至るルートには4つのルートがあります。吉田、御殿場、須走、富士宮。御殿場口は山頂までの標高差約2300mと4つのルートの中で一番標高差が大きく距離が長いため、他のルートに比べ所要時間が長く難易度が上がります。そのため混雑する事はあまり多くありません。また、毎年8月第1日曜日には「富士登山駅伝」が開催されることもあって、ランナーには親しみのあるルートの1つです。もう1つの吉田口。こちらは毎年7月第4金曜日に「富士登山競争」が行われるので同じくたくさんのランナーが毎年山頂を目指してトレーニングをしています。 さて、登山といえば山頂(特にルート上の最高峰)を目指すというのが一般的。しかし、山頂に登るだけが楽しみ方のすべてじゃない。その人の体力や走力、レベルや目的に応じてたくさんの楽しみ方があった方が面白いと思うのです。僕のお気に入りは宝永山。御殿場口か、そのお隣の富士宮口から行くことができます。宝永山の標高は2693m。御殿場口の登山口となる五合目太郎御坊の標高が1440m。山頂まで行くのは自信がないという人でもチャレンジするには良い標高かもしれません。御殿場口といえば、もう一つ有名なのが大砂走り。ここを駆け降りるのが御殿場口の魅力の1つです。宝永山からの下山でも通りますのでこちらも合わせて楽しんでください。ザクザクと足首くらいまで埋まるくらい深いので独特の浮遊感と疾走感が味わえます。これはきっと病み付きになるはず! 宝永山へは御殿場口を出発して山頂に向けて登山道をどんどんのぼっていきます。足元が砂地で足を取られやすく登るのに苦労するかもしれませんが慌てず、歩幅を小さめにコツコツと足を運び続けるのがポイント。徐々にですが標高を稼いでいるのを周りの景色の変化から感じられるはず。見上げていた景色が次第に目線と同じになり、気がつけば見下ろす位置に。そこまで来れば、登ったことを強く実感出来るでしょう。宝永山へは何箇所かから向かうことができます。最短で向かうなら標高2830m地点の六合目から。宝永山へ向かう矢印が出ています。僕がよく行くのはそこからもう少し登った標高3040m付近の七合目から。七合目から先は登山道と下山道が一緒なのでここより高い場所から宝永山に向かう場合にも七合目から大砂走りを通って宝永山に至ります。馬の背と呼ばれる平坦で開けた尾根道を突き当たりまで行けば、宝永山の山頂です。晴れた日は絶景が広がりますので是非、足を運んでみてください。 最後にワンポイントアドバイスを。あると便利なのがゲイターです。御殿場口の下山で一番厄介なのが靴に入ってくる小石と砂。大砂走りを気持ち良く下っっていると靴の隙間からどんどんどんどん入ってきます。なので、少しでも防ぎたい方はゲイターを試してみてください。足首周りをすっぽり覆ってくれるのでかなり効果を発揮してくれます。